石の町奈良県吉野郡に行ってきた。
奈良県の南部に吉野郡はある。歴史深く自然
豊かな所だ。そこに何度か行った事があるの
だが、「石」と書いた看板がところどころにあるのだ。それだけなら何も珍しく無いのだが石という漢字の口の部分の上にちょこんと点が書かれている(読み方も分からないのでこれから点石と書きます。)こんな漢字見たこと無い。何か特殊な素材や、加工、名産品なんだろうか。 この点は何だ
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・点石ってなに?
国道を走っていると所々にある点石の看板、その後ろには様々な形に彫刻された石像が並んでいる。かなり色々なデザインがされていて見ているだけでも楽しくなってくる。だが他のところで見る石像との違いは分からない。なんなんだ点石。

こんなの看板の後ろに石像がいっぱい
ベーシックタイプ。よくありそうな石像
可愛い系の石像。干支にあわせて作ったりしてそう
カッコいい。胴体も力強い感じだった。
いい表情だ。凄く丸い、なんて癒されるんだろう
素材も色々だしモチーフも決まっているようには見えない。石に点…他の地域の石像と何が違うのか。考えていても分からない、実際に聞いてみよう。さらに国道を走っていると石材店があった。
見えにくいけど点石の石材店
恐る恐る店を覗いて見た。おばちゃんが二人いてお茶を飲みながら話している。よし、聞くぞ。と思って入ろうとするが入り口がどこか分からない。どうしよう、あれ、この扉開かないの?そっちかな?などと思っていたらおばちゃんがこっちに気づいた。うわっ、凄い怪しいものを見る目でこっちを見てる。どうしよう。
おばちゃん(以下お)「なにー?どうしたの?」
僕「あ、国道走ってたら石の口の部分の上に点が入った看板がたくさんあって見たこと 無い漢字だから気になったんですけどなんなんですか?」
お「えー、あれ?はっはっは。うーんわかんない。昔はそういう書き方してたんじゃない?はっはっはうちではずっとこうだから」
用件が分かって安心したようでもう警戒して無いみたい。いい笑顔のおばちゃんだ。
僕「そうなんですか、あーわかんないのかー、どうしよう」
お「あんたらどっから来たの?」
僕「大阪から来ました。」
お「はー。ちょっとまってな」
店の中に戻っていった。お、調べてくれるのか、点石の謎が解けそうだ。
お「ハイ、これ持って行きな。」
ぎゅっと手を握られた、あ、飴だ。凄くうれしい。別に僕は飴が欲しかったんじゃないし、特に飴が好きなわけでもない。それでもうれしい。何故かおばちゃんもうれしそうだ。
僕「本当にありがとうございます。すいません、もう行きます。」
お「うん、また来てな。今度コーヒーでも飲んで行きな。」
何でこんなにやさしくしてくれたのかは分からないけど少し肌寒かったこの日あまり寒さを感じなくなる出来事だった。病は気からじゃないが暖かい気分だと寒さは感じないようだ。
おばちゃんにもらったコーヒー飴と紅茶飴
・再び謎の解明に
店の人に聞いても分からないんだからどうすればいいんだろう余計謎が深まってしまった。店の人が知らなかったんだから名産とかでは無いのかも、歴史が関係していそうだ。と色々考えていると友人が話し出した。
友人「石像ってさ、仏像が多いじゃない?だからきっとあの点は仏像を意味してるんだよ。あの点が頭で口が体。」
僕「じゃあ上の部分は何だよ」
友人「屋根」
屋根って何だよと思ったが友人は大真面目にそう考えているようだ。点が頭のクリッとしたところがどうたらこうたら言っている。
僕も閃いた。石材店はただの石を売っている訳ではない、色々て手間や苦労を掛けて石像やお墓を作っているのだ。ただの石ではなく色々と手を入れた石を。てを入れた石を。てんを入れた石を。
点を入れた石を。
そう、点を入れることによってたったの一文字でただの石ではなく手間暇掛けた石材を売っていることを現していたのだ!
「駄洒落じゃん。」と言われてしまった。ちゃんと調べよう。
まだまだ出てくる点石
綺麗な点石

ついには神に…
他の石材店も回ってみる。だが他の石材店の表記は点石ではなくただの石だ。おかしい、あんなに点石の看板がたくさんあったのに。看板を見てどの石材店に行けば良いのかもう一度確認しようと戻ってみて気づいた。
あのたくさんの看板は全部あのおばちゃんのいた石材店のものだった。あの石材店で聞いて分からないんだから他のところで分かるわけが無いこれで点石の真実は分からなくなってしまった。
途方にくれているとふと寒さを感じ、僕はおばちゃんを思い出した。僕には分かってしまった。あのおばちゃんの店が点石の店。そう、おばちゃんが点石なのだ。つまりあの時くれた飴が僕に取っての点石の点だったんだ。
といい話風に書いてみたが結構残念だった。家に帰ってネットで調べてみたが点石は特字体と呼ばれているということ以外分からなかった。
・失意の中帰る
結局点石について何も分からなかった。残念だがしょうがない。コーヒー飴を舐めながら帰ろう。その途中で道の駅に寄った。そこには…

石が売ってた
こんなにおいしそうなお酒を売ってるのに
一緒に石を売っている
石だ。手を加えていない、点を加えていない。普通の石を売っていた。張ってある紙にも特に特徴は書いていない。どっからどう見てもただの石である。何か特別な石なのかと思い店員さんに聞いてみた。
僕「あの石って何か特別な石なんですか?」
店員さん(以下店)「いえ、そこにある川で拾って来たものです」
僕「えっ、ほんとに只の石なんですか?買っていく人はいるんですか?」
店「たまに売れますね、ガーデニングに使ったり水槽に入れたりするそうですよ」
テレビでこの世の中に売れないものは無いと断言していた人がいたけど本当なのかもしれない。そこの川に下りて拾ってくればいいだけではないんだろうか。降りてみる。

底が見えるほどの綺麗な川
水が凄く綺麗な川だ。底まで透き通って見える。だけど石はどこの川原にもありそうな普通なものだ。これなら、僕の方がいい石を探せるんじゃないか。売れそうな石を探してみる。

白っぽい石と黒い石が合わさった石。グラデーションが綺麗
白い石。手ごろなサイズで持ち帰りやすい。

船っぽい形状の石。何でこんな形になったんだ
いい石がたくさん見つかった。この中のどれにしよう、どれが一番売れるだろうか。お客さんの心をつかめるだろうか、店の石を思い出してみた。どれも僕が選んだような少し変わったような石は無い。普通だ。普通が一番なのか、自然豊かなところに来たから自然そのものな石を求めているのか。それともやはりあの石はいい石なのか。分からなくなってきた。
結局僕は何の変哲も無いパッと目に付いた石を選んだ。何か分からないけど惹かれたのだ。

この石はいいですよー。普通ですよー。(うれしそう)
・売ってくれるようにお願いしよう。
石を選んだだけでは売れることは無い、売り場を確保しなければいけないのだ。石を持って先ほどの道の駅に向かう。と、道の駅の入り口に差し掛かった辺りで自動販売機にジュースを補充しているおじさんに声を掛けられた。
おじさん(以下お)「あー、川から拾ってきたの?勝手に取ってきちゃ駄目だよ。」
僕「え、そうなんですか。でも持って帰るわけじゃないんですが」
お「じゃあ売ろうと思ってるんだな。そんな只の石ころじゃ無理無理」

補充するおじさん
何!?やっぱりあの石たちは普通の石じゃなく、何か特徴のある石だったのか、それだったら他の候補たちを選んでおけばよかった…と思いつつ、おじさんをスルーし、店の人に聞いてみた。
僕「すいません、あそこで売ってる石にこの石も加えて欲しいんですけどいいですか?」
店「わからないです、私じゃ判断できないんですよ。この前でジュースの補充してる駅長に聞いてみてください」
ん?ジュースを補充してるおじさん?さっきのおじさんが駅長か!?スルーして来てしまった。漫画で不意に絡んでくるおじさんがお金持ちだったり有名人だったりするパターンがあるがまさか現実に体験するとは。もう一度お願いしに行ってみる。
僕「すいません、この石を一緒に売ってもらうことは出来ないですか?」
駅長「それ普通の石だから売れないよ、きっと」
僕「そんなこと無いです。この石はなんとなく惹かれる空気があるんです。他の石たちよりもよく売れると思います。お願いします」
駅長「そうかな、じゃあいいよ。置いてあげる。50円で仕入れてあげる」
僕「置かせてもらえるだけで結構です。お金はいいので本当に置かせてもらえますか」
駅長「いらないの?わかった。置いていいよ」
許可をもらえた。本当に置けるとはあまり思ってなかったのでうれしくてちょっと小躍りしながら石売り場に向かい、僕の石と記念撮影してきた。

一番右下が僕の石100円。馴染んでる。
外に出て駅長さんにありがとうを伝えた。とても元気で面白い人だ。色々な話をしてまた来てねと凄くいい笑顔で送り出してくれた。

駅長とダブルピース
僕の石は売れただろうか。早々に行く機会の無いところなので気になってもすぐに確認することは出来ない。でも僕はきっとまた吉野に行くだろう。自分の置いた石の行方はもちろん石屋のおばちゃん、道の駅の駅長など吉野の人たちに会いたいからだ。勝手に僕が認定した石の町吉野。本当は人の町である。
こんな石像もあった。怖い。
実際に見ても結構怖い
石を選ぶとき、実際は川で水切りして遊んでばっかりだった。楽しかった。

二回くらいしか跳ねさせられない。
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